忌中と喪中って、全然違うものなんです!
忌中と喪中の違いって、結構勘違いしていたり、よく分かっていなかったりという人って、結構いますよね。身内に不幸があった時、初めて知る方も多いと思います。さあ、一緒に忌中と喪中の違いについて学んでみましょう!
忌中と喪中の違い その1:意味
「忌中」の「忌」とは、神道の「亡くなった人の親族=気枯れ=けがれ」と考える風習と、中国から伝来した仏教の「中庸供養=人は亡くなった後49日の間に次の新たな生を受ける」との考えが、神仏習合により一体化したと言われています。
また、「けがれ」は伝染するように考えられていた為、親族に亡くなった人が出た場合、その親族は一定期間家に篭り、身を慎み、社会生活における様々な行事に参加してはいけない期間とされてたようです。これが忌中の始まりとも言われているようです。
「喪中」の「喪」とは、近親者が亡くなったことに伴い、一定期間静かに故人の冥福を祈り、哀悼の気持ちを表しつつ慎ましく生活することを言い、「喪中」とはその期間(服喪期間)を言います。
忌中と喪中の違い その2:期間
「忌中」とは、神道では50日(=五十日祭(ごじゅうにちさい))、仏教では49日(=四十九日(しじゅうくにち))までの期間を指し、その間は一切の祝行事や神社への参拝は慎むことになっています。
尚、忌中明けまでは神道は五十日祭まで十日祭、二十日祭、三十日祭、四十日祭と10日毎にお祭りがあり、仏教では初七日・二七日・三七日・四七日・五七日・六七日・七七日(=四十九日)と7日毎に法要を行います。
「喪中」とは、亡くなってから1年間を指します。神道では「一年祭(いちねんさい)」、仏教では「一周忌(いっしゅうき)」と呼んでいます。
忌中と喪中の違い その3:神社仏閣への参拝
神道の御社である神社は、忌中明けである五十日祭が終わるまで、「気枯れている」遺族は参拝は控えることが風習となっています。忌明け後の喪中期間は参拝可能です。
仏教の御社である仏閣は、忌中であれ喪中であれ、参拝は可能となっています。ただ、初詣で賑わう有名なお寺は「お祝い気分」であることが多い為、忌中・喪中共に避け、菩提寺にてお墓詣りをすると良いでしょう。
<ご参考>
神道・仏教では以上の通りですが、キリスト教では、クリスチャンにとって亡くなった方は神に召され、天国へと旅立ち、神の国で再び会えると信じられています。ですから「忌中」や「喪中」などの風習はありません。
また、イスラム教では、死は一時的な別れであり、神・アッラーの審判の日に復活すると信じられています。よってキリスト教同様、「忌中」や「喪中」の風習はありません。
日本にいると、「忌中」や「喪中」は当たり前になっていますが、宗教によって様々なのですね。ちなみに喪中はがきを出す習慣も日本独自のもののようです。