忌中の結婚式

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忌中喪中の間、結婚式をしたり、出席しても大丈夫?

<忌中や喪中の間の結婚式・今昔物語>

 

「忌中や喪中の間は結婚式への出席は遠慮しましょう」、と、しきたりに詳しい人に言われたり、マナーの本に記載されていたりします。様々な価値観やマナーが変容する現代、今と昔ではどのように対応が違うのでしょうか?

 

昔、神道では「死」はケガレとされており、そのケガレは伝染すると考えられていたようです。よって親族に亡くなった方が居た場合、「忌中」や「喪中」という形で一定期間隔離し、人の集まる祝い事などの「ムラ」の行事に参加してはいけない、という対応を取ってきたようです。

 

恐らく、医学の未発達な時代において、結核や赤痢などの伝染病が流行した際、最も近い場所で暮らしてきた親族がバタバタと亡くなるのを見たことから、「忌中」や「喪中」はその親族を隔離するような風習が生まれたとも考えられます。人が集まる場所で感染者がいれば、ムラ全体の消滅になりかねませんからね。

 

そしてそのしきたりは制度化され、一番古くは文武天皇の大宝律令の「喪葬令」(701年)から始まり、その後「養老令」として修正され、明治以降は「忌服令」(明治7年)で皇室以外の人に忌中・喪中の期間を明確にした法令が制定されました。(皇室は「皇室服喪令」という別の法律があります)

 

ただ、「忌服令」は男女差別や家制度が色濃く反映された制度である為、昭和22年に廃止され、現在は忌中・喪中期間に関する法律は無くなりました。ただ、法律は無くなったものの、「しきたり」や「マナー」として形を変え、現在も生き続けている部分もあるのです。

 

そして現在、服喪については昔ほど厳格ではなくなり、「喪中の結婚式への出席は『控えましょう』」という形になってきました。ただ、「忌明けまでは出席はしないほうが良い」、ということが一般的です。(忌明け後の喪中期間の出席は許されています)

 

 ★神道・神葬祭の忌明け=50日祭

 

 ★仏教・仏式の忌明け=49日

 

 ★キリスト教=「死は永遠の別れ」ではなく、最終的には「天国」で会える為、特になし。

 

 

それでは、忌中・喪中の様々なケース毎に、結婚式にどう対応すべきか、見て行きましょう。

 

<自分や家族の結婚式が忌中・喪中に重なった場合>

 

忌中は残念ですが、結婚式を延期しましょう。心情的にも親族が無くなってから50日も経たないうちにお祝いをする気にならないと思いますが。。。

 

 

忌明けの喪中の場合(親族が亡くなってから51日以降365日未満)も、喪中の年は結婚式を避けることが多いです。ただ、その地方の慣習や常識もありますので、それに従うのが一番良いとされています。

 

 

<友人・知人の結婚式が忌中・喪中に重なった場合>

 

忌中は残念ながら事情を説明し、欠席しましょう。

 

忌明けの喪中の場合は、相手方が「しきたりを重んじる」場合や「縁起を担ぐ」場合は、仏式の百ヶ日を過ぎるまでは避けた方が良いでしょう。

 

相手方が「こだわらない」場合は、自分の心に整理が付き、お祝い出来る精神状態であれば、出席しても大丈夫です。大いに二人の門出を祝ってあげて下さい。

 

 

<自分が喪主をした後に部下の結婚式の仲人を務めなければならないのに、忌中・喪中に重なった場合>

 

忌中・喪中は残念ながら事情を説明し、他の方に仲人を代わって頂くようにしましょう。ただ、あまりに結婚式の日取りが近く、仲人の変更が難しい場合や「どうしても」と懇願された場合は、新郎新婦と相談の上、決めていくしかないと思います。

 

お祝いは前もって準備が出来ますが、急に忌中や喪中になってしまうこともありえます。ある程度の年齢になったら、最悪の事態も考えた上で、仲人は引き受ける必要があるかもしれませんね。

 

 


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